甘い広告の正体

多重債務者を狙った広告類

ネット上には無数の金融広告が溢れています。大半は名の通った大手消費者金融ですが、中には怪しげな広告も点在しています。「無審査でキャッシング」「審査の甘い消費者金融」といった感じの、如何にも多重債務者が見たら飛びつきそうなタイトルを用いているのが特徴ですが、こういった甘言を用いた広告類には近寄らないほうが無難です。

なぜならば、多重債務者をカモにしている悪質業者であることが多いからです。借入が困難な状況にあって金策に四苦八苦している多重債務者に対して、まるでエサを与えて一本釣りするかのような行為は、決して許されるものではありません。

消費者金融の借入審査で、甘い審査をする業者など皆無であると認識しておいたほうが間違いありません。確かに大手と中堅業者を比較すると審査基準の相違はありますが、信用情報機関の事故情報登録者や、重度の多重債務者への融資をするような貸金業者は存在しません。

消費者にとって審査基準が甘いということは、業者側にとってみれば融資をしたお金を焦げ付かせるリスクが高い顧客ということになります。そのような高いリスクを冒してまでもお金を貸すような業者は、なかなか存在しないのがしないのが現実です。

多重債務者の推移

90年代後半、貸金業界の過剰融資と景気などの社会情勢も絡んで、国内には大量の多重債務者が存在していました。多重債務者が多くなるということは、必然的に自己破産者も同様に増加し、破産を手助けする代理人(弁護士)の仕事も潤っていたのではないでしょうか。

多重債務者の推移

2007年以降急激に多重債務者の数が減っていることに気が付くと思います。これは増え続ける多重債務者を抑制する目的で改正された貸金業法に起因します。2007年の改正では、上限金利の引き下げと違法業者への罰則が厳しくされました。また、2010年の改正では事実上多重債務者への融資を禁止する総量規制が施行され、年収の三分の一以上の融資が禁止され、同時に収入証明の提出も義務化されるようになりました。

また、違法業者を排除する目的で、新規参入業者への資格として純資産5000万円以上を有することが定義されました。この法律によって、手軽に開業できていた小規模のマチキンは排除されることとなってしまいました。また、他にも多くの規定が取り決められ、罰則もそれまでのものよりはるかに高くなりました。

多重債務者はどこへ?

2007年度以降多重債務者の数が減っていたのは統計が示す通りですが、ではその人たちは立ち直って通常の生活に戻ったと考えられがちですが、一度多重債務に陥ってしまうと、そこから脱却するのは並大抵のことではありません。自己破産等の債務整理をすれば別ですが、自力で借金を完済するというのは、簡単なことではないのです。

一番考えられるのは、2007年の貸金業改正によってグレーゾーン金利が禁止されたことにより、余分に払っていた金利を取り戻せることになったことから、それまで多重債務にあった人の大半がこの過払い金請求によって、息を吹き返したと思われます。過払い金によって借金をチャラにできたということです。